Voice Drama.
【あらすじ】
11月3日、休日の高校へ図書委員会のメンバーが書架整理のために集合していた。
極めて凡人な九郎、超シスコンの聖、しっかり者の眞白、生意気な後輩の柚希、穏やかで優しい司書の栞。……そして見慣れない大きな犬のぬいぐるみを持った礼花。
いつもの日常にひょっこり現れた犬のぬいぐるみは、礼花に抱かれながらじっと彼らを見つめている。
「礼花どうしたんだそれ?」
「う。空から落ちてきた」
騙り手は本のページをめくりながら、誰にともなく問いかける。
「繰り返す世界の中で語るべきことがいくつ存在するだろう? 世界に満ちるのは哀切の声、巻き戻しへの懇願。ただそれだけだ。けれど君たちは進まなくてはならない。……いいかい、進まなくてはならないんだよ。」
これはロケットに乗せられた子犬とロケットに乗ってしまった少女のお話。