□オルター・ハット□
一人称:私・(調子に乗っているとワタクシ) 二人称:あなた・君
中腹に口の生えたおかしなシルクハットを被っているおかしな男。
饒舌かつ慇懃無礼な態度で何者にも接する。
アリスの事は積極的に探そうとしないが、探そうとするものを止めることもしない。
この世界の原理(「斜線」や「空の声」について)を全て理解しているような口ぶりで話す。
"時間"と仲違いをしており、その余波でこの世界はろくな時間の進み方をしない。
朝と夜は一応交互に周るものの、日付が先に進むことはあまりない。
帽子は小学生程度の大きさの生き物なら軽く丸呑みできる。
実際定期的に何人か呑みこんでおり、腹をすかせると木を擦り合わせるような不快な音で鳴く。
オルターは帽子のことをハットと呼んでいる。
帽子に人格があるのか、オルターとどんな関係があるのかは、オルターのみぞ知る。





□ドールイット・ドードー□
一人称:僕 二人称:君
ひょろりとした長身で猫背の青年。灰色の長尾羽が申し訳程度に生えている。
外見年齢と体躯の割に声が少し高い。
アリスを待ちわびすぎて、何周か回って少女人形しか愛せないという難儀な性癖になった。
常々、自分で拵えた少女人形を抱いては安心感を覚えている。
彼の作る人形は、陶器にも似た独特の肌をしている。
白兎にはコレクションの少女人形をよく持ち出されていて、困っているらしい。
一度、「斜線を引かれ」た知人を目の当たりにしたことがある。
己の声にコンプレックスを、性癖に後ろめたさを持っており、ぼそぼそどもりながら喋る。
ただ、マゾッ気が強いので、後ろめたさが正直気持ち良くなっているらしい。
身なりには無頓着だが、一つだけ、月の光を美しく反射する銀のスコップを持っている。
夜な夜な、珍しく火葬された墓や、古ぼけた墓の周りに散歩をしているらしい。
誰かは彼を墓荒らしと呼ぶ。





□ギニョール・オルガ□
一人称:俺 二人称:お前・お前さん
親しいモノにはギニーと呼ばれている、しっかりとした体つきの青年。
元々は蝶になることに意義を見出せないモラトリアムイモムシだったが、
アリスが来なさすぎて、更にイモムシで居ることにも飽きた為、さっさと羽化したいと思っている。
だがしかし身体を鍛えたりしてもなかなか羽化できず、さては栄養が足りないものかと思い至り、
草食から雑食に移り、そして通り越して悪食になった。
食事に関して以外は、鷹揚で難しいことは考えないタイプ。
噛み砕けるものはとりあえず全て食べてみるのが信条。
人間とて、例外ではない。





□フーケ・ホワイト□
一人称:僕 二人称:君
時間を人々からスることができる不死身の少年。
本人曰く、心臓を「宝箱の中」に隠しているらしい。
性格は素直で、何でも思った事を言ってしまうため、天然毒吐きの異名を持つ。
そのため、オルター氏と出会うと皮肉と毒の嵐になってしまうが、
フーケ的には「僕ら、仲良しだよね?」とのこと。
他人からスッた時間は切手の形になり、麻薬となる。裏路地の少年麻薬王。
セリアにぞっこんで、結婚済み。超愛妻家のため、セリアが関わると黒兎になる。





□セリア□
一人称:私 二人称:あなた、〜様、〜さん
celia→aliceのアナグラム。レイシーだと本家になっちゃうので外しました。
ホワイト家の可憐なメイド。赤いドレスにフリルのエプロンが目印。
そしてフーケのお嫁さん。非常に忘れっぽく、お馬鹿な女の子。
今のところ確実に覚えていられるのは「フーケ」の名前だけ。
フーケがよく可愛い少女人形をおみやげにくれるので、
可愛いと思ったパーツを千切り取り、一つの人形に合体させておままごとを楽しんでいる。
フーケと出会った当初、晩餐に招待され「兎の心臓シチュー」をごちそうされている。
皆が待っている「アリス」だが、その自覚は一切なく、ホワイト家で楽しく暮らしている。





□ビル・キュラソー□
一人称:俺 二人称:君、アンタ、テメエetc(固定なし)
爬虫類の肌をした青年。
カツアゲされていた所をフーケに助けられ、ホワイト家の執事になった。
なので、主人には忠実。基本的に不幸体質。
セリアの事は可愛いな〜と思っているが、やましいことをしたらフーケに消されるので何もしていない。
元々情緒不安定でいきなり躁状態になったり、鬱状態になったりする。
躁の時はやたら破壊神になる。
そのせいでフーケの屋敷は立派だが、どこか壊れている事が多い。
仕事が首になるのを恐れながらも(躁鬱のせいで何度も仕事を首になっているため)、
家事や庭の手入れをハイテンション&ローテンションにこなす。





□エレナ・バウワウド□
一人称:私 二人称:君or名前呼び捨て
美貌の女刑事。犬の耳と犬のしっぽがある。
Ruster Landの正義にして嫌われ者。ある意味唯一、錆ついていない住人。
事件を探し続ける警察の「狗」だが(しかし警察にはもう彼女しかいない)
全て判決が保留となってしまっていることに苛立ちを覚えている。
女王に保留の書類を何とかしてもらいたいので、目覚めてもらうためにアリスを探している。
フーケとは旧知であり、Ruster Landの事件についてよく相談している。
帽子屋を何度か殺人で立件しようとしたが(帽子が人を食べるので)、
その度に言いくるめられて逃げられているため、苦手意識がある。



□空の声□

一人称:僕 二人称:君
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に心酔し、物語を真似て書き始めた青年。
しかし、ハロウィンの晩に物語を書きだした上に、
書く際に使用したアンティークのガラスペンが曰くつきだったらしく
「ある所に国がありました。」と一行だけノートに書きつけて眠ったところ、
目覚めたときにはノートの上に「Ruster Land」が出来上がってしまっていた。
不思議の国とは似ても似つかない馬鹿げた世界に
「そうじゃない……そうじゃないんだ……」と呟きながら、
国の様子を観察しはじめ、この滅茶苦茶な物語に魅入られることとなる。








このお話の本当の始まりはどこかって?
知りたかったら、もう少し兎穴を落ちてみればいい。








































制作裏話(by墨染一夜)
好き放題やりました……ええ……好き放題やりました。
もうそれに尽きます。
むかーしにいつか何かでやりたいなぁとか
ボンヤリキャラクターをメモしていた断片を、いかがッすかと碧山さんにお渡ししたところ、
えらい好みな世界観を作っていただけました……。
世界観構築に関しては私はもう完全に見る側だったので終始わくわくしておりました。
メタい話が大好きです。
キャラ絵はなんかデフォルメと不気味のあいだを描いてみたかったんですが、画力おっつきませんでした。

制作の大部分も碧山さんにお任せしてしまっていたので、
すっごい何もしてない感ある私ですが、碧山さん、そして各ボイス担当者の皆様のお力で
素敵でみょうちくりん(良い意味で!)なお話が出来上がったと思いますので、
是非お気にかけて頂ければ幸いです。

またお会いできる機会を夢見て。
それでは皆様、ごきげんよう。




制作裏話(by碧山深依)
2015年初冬に墨染さんとの初コラボリレー小説『昔日のフュネライユ』を
完成した際に、「またコラボやりたいですね!」「じゃあやりましょうか!」と
速攻でハッスルしだしたのが始まりだったと記憶しております。

まずコンセプトを決める時に、元々墨染さんが描いておられた「オルター・ハット氏」のイラストと設定を拝見して、
「アリスとモンスター……ハロウィンとアリス混ぜちゃいますか!」と
ハッチャケ妄想しだした碧山の世界観設定に、
墨染さんがさらにソイヤと盛ってくださって「RusterLand」の根幹が誕生いたしました。

スーパー余談ですが、これだけアリスキャラを出したというのに「チェシャ猫」が未登場でちょっと驚きました……(笑)

あと、某友人に「捕捉ないとわからぬぞ!」と突っ込まれたのですが、
エレナのモチーフである「犬」は、涙の池で話題だけ出てきます。
原作だと、不思議の国の皆さんは犬の話をアリスがするたびに嫌がるので、
「RusterLandの嫌われ警部」という揶揄が誕生しておりました。

最後になりますが、
相も変わらず突っ走り気味な碧山を、いつも温かく見守ってくださった墨染さん、
そしてキャラクターたちに命を吹き込んでくださったキャストの皆さまに感謝いたします。
それではまたお会いできることを祈りつつ。